残業ゼロの仕事力

残業ゼロの仕事力


「残業ゼロ」の仕事力

吉越浩一郎 著
日本能率協会マネジメントセンター

仕事は「決められた就業時間内で行う」というのが世界の常識です。

同書の1行目。
残業が身体に染みついた私には耳の痛い話です。

「残業は会社にとっていいことだ」と思いこんでいるからにほかなりません。
だから、夜遅くまでオフィスにいるだけで、「自分は会社の役に立っている」という高揚感がわいてくる。逆に終業のベルと同時に帰ったりすると、どこか肩身の狭い思いを感じてしまうのです。


同じく本文の3ページ目。
まさに図星!

そして「誰もが残業ゼロにするなんて無理に決まっている」と、残業が常態化している現状を受け入れてしまっているのです。

本文の4ページ目。
まったくその通りです。
恐れ入りました。


一見、これだけだと「働き過ぎの日本人。それに比べてヨーロッパは・・」なんて、よくある話に行きがちですが、それはまったく違います。

今まで夜9時、10時迄かかってこなしていた仕事を、夕方の6時までに終わらせるには、どうしたら良いか?仕事のスピードを上げ、仕事の密度を濃くするために今迄のやりかたをどう変えていくか?という話です。

現に、著者の吉越氏が社長に就任してからというもの、今まで悲惨な経営状況だったトリンプインターナショナルジャパンは、残業ゼロなのに毎年増収増益。しかも社員の数は増えていない。社員の仕事をこなす能力は「5倍!」になったということです。

一例をあげると・・
「毎月1日の朝8時に前月の損益計算書が見られるようにする」これを残業なしで。

社員はこの課題をクリアしたばかりか、その後デイリーで損益計算書が見られるまでにしたといいます。すごいですね。

どうやったかというと、全ての仕事にデッドラインを設けて、それを社内の会議で発表し、守らざるを得ない状況にする。しかもそれを決められた時間内で行う。
他にもありとあらゆる手法を駆使しているのは言うまでもありません。

毎日行われる早朝会議では、1時間でおよそ40件くらいの議題をかたづけるそうです。1つの議題をかたづけるのに、かかっても2分!

なぜ2分で片付けられるのか?
この会議はどんな意味があるのか?
この会議が残業ゼロを実現させるというが、その秘密は?
等々、本書で詳しく述べられています。

いきなり残業ゼロとはいかなくても(そもそもこういう考えがダメなんですよね。すみません)規定の時間内に終わらせるには、現状の仕事をどう変えていけば良いか?それを考えるだけでも非常に価値があります。

社内の仕事にしても「以前に比べてIT化が進んで仕事の効率が上がった」なんて喜んでいましたが、甘すぎました。IT化の余地は、まだまだ山のように残っているようです。

IT化だけではありません。時間内に片付けようという意識を持つだけで、今迄の自分のやり方が自然と変わってくるものです。

例えば
・○○さんへ本日中に連絡
・○○社へ○○をファックス
・○○の原稿仕上げ。本日中
と、今までは手帳にメモしていました。いわゆるDoing-Listです。
しかしです。
そんなことをいちいちメモしている暇があったら、その場で受話器を取って電話をかける。不在ならすぐにメールを送る等々、小さなことですが、こんなことの積み重ねも馬鹿になりません。

会議に対する意識も本を読んで180度変わりました。今まで、なんともったい時間の使い方をしていたことか。

このように仕事の密度を濃くして、スピードを上げると定時にはもうくたくた。とても残業しようという気になりません。

「業績を伸ばそうと思ったら残業ゼロの会社にする」ということが本書で述べられているテーマですが、実はその先のもっと大切なことが書かれています。それは本書ご覧になってみてください。



PS
本書は、売れているせいか(2007年12月30日初版、2008年3月15日第11刷)書店で平積みにされているのをよく見かけます。最初は「ふ〜ん、まあ理想だけどねえ」くらいで手に取る気にもならなかったのです。
きっかけは、JWAVEのWAKE UP TOKYO(月曜〜木曜 5:00-7:00)の「Weider POWER YOUR MORNING」でした。ここに吉越氏が登場し、話を聴くうちに俄然興味を持ち、すぐに本書を購入しました。
このコーナーは毎回Podcastでも配信しているので、私はいつも愛用のiPodに入れて聴いています。毎週、注目の人にインタビューする番組です。お勧めです。

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